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「なぁ、閏っていくつ?」
「はぁ? レディに年齢聞く?」
「いや、ごめん。春海と同じくらいなのかなって。ほら、春海年齢不詳だろ? 考えてみると不思議なんだけど、オレが子供の頃、春海も子供だったんだよ。オレの母親の傍にいたっていくつの時のことになるんだ? 鯖読んでるのか?」
閏が、こいつ心底馬鹿なんじゃない、というような見下した表情をする。
「なんだよ」
「あんた相当大物かも」
「それは褒め言葉だな、サンキュー」
「バッカじゃないの。春海はあんたを護るために、子供の姿に戻ったのよ」
「妖ってそんなこと可能なんだな。あ、そうか化けてるわけだ。じゃあ本当の姿は」
「化けてるわけじゃないわ。身体を退行させたの!」
子供の姿に身体を退行させる? "APTX4869"の作用でなく?
妖ってそんなことまで可能なのか。
「小さな身体でもね、あんたをイジメた五、六人のガキをのして、グッタリした子供の背中のシャツを掴んで、もう一方の手で返り血を拭って……あれはカッコ良かった~」
閏は自分の世界に入り込んだ様子でうっとり陶酔している。
先生が愉快そうに誂う。
「あれ、もしかして犬に惚れてんの?」
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