四.地始凍

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「はい。今でも我らの誇りです。九人目は人虎。閏さんの一族ですね。内容を知ってますか?」 「当たり前でしょ。……どんなに優れたものを持っていたとしても、使いこなすセンスが無くちゃ台無しだ。彼にはセンスを授けてやろう」  清き心に、センス。 「なんか猫っぽいな」 「要はバランスを持たせたわけ。あんたこれがなきゃ、あれこれ与えられても宝の持ち腐れだったのよ」  とっても偉そうだ。 「十人目はマンドレイク。植物系の亜人ですね。思慮深くて、まわりの調和をはかるのが上手なボスであって欲しいな、面倒見がよかったらなおのこといいな、と」 「それ一個になるのか?」  ひとりで何個も授けられるのか? 「まぁ結局は言葉に表したらそんなんだけど、与える者の感覚的なものだから一個なんだよな」 「十一人目は龍人、これは大衍の一族だろうな。みんなを見渡してこう言った。欲張りだな、俺は自分のボスならば常に堂々としていればいい。いつも余裕がある奴は頼りがいがある」 「なんか大衍とは全然違う性格だな」  おどおどびくびくしていた姿しか浮かばない。 「どっちかっていうと大衍のあの性格が龍人としては特殊だよ」  人間界で生まれ育ったのかもしれないな。しかも日本でね。  調和がとれて、いつも余裕があれ。     
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