四.地始凍

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「そして最後の十二人目の妖が贈り物を与えようとした時、ここで邪魔が入ったんだ」 「殺しにきたってやつか」 「まぁレキの件もあって警戒していたから、すぐに片付けたけどね」 「残った最後の妖だったのは人狼。その頃うちの長は弱ってて洗礼の儀に参加出来る力はなかったから、暦と親交のあったオレが選ばれたわけ」  だから決してジジイなわけではない、とでも言い訳しているようだ。  そういえば願を掛けたって言っていたっけ。 「物語みたいに呪いを掛けられたわけじゃないから、元から決めていたものを贈らせてもらったよ」  勿体ぶるようにそこで一度言葉を止めるので、催促するように聞いてしまう。 「春海はなにをオレに願ったんだ?」 「大人になるまで妖の力を封印させてもらう」 「え……」 「勿論みんなの反感を買ったよ」 「当然でしょ、そんなの危険過ぎる」 「その間はオレがきちんと護りますよ、って諭したわけ」  それで今に至るのか。 「なんで?」 「え?」 「なんで大人になるまで?」 「ああ、元々こっちの世界で育てるつもりだったからな。鬼の力を持った状態だと、幼い頃は制御出来ないだろうし、オーガたちから姿を隠すためにもそれがベストだったからだよ。それでも居場所をつかまれて、君の祖父母は死んでしまったわけだけどね」     
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