四.地始凍

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 それだけブラウンズヴィル・オーガはオレを消したがっているというわけだ。 「そっか……。それにしても改めて半獣っていうか、亜人? が多いんだな」 「ん、まぁな。純粋な妖ではあるんだけど、どこか人の要素を持ってる連中だな」  春海も、閏もノーモンも、大衍も人間として生きていたとしても、気付けなそうだ。彼らは仮面を被るのが上手いのだろうか。  そういえば、母は妖の世界にいてもはじめは人間とバレなかったと春海が言っていた。  もしかしたら、本質的には人間も妖も違いがないのかもしれないな。 「なぁ、オレって殆どそれで構成されたってわけ?」  見た目は兎も角、自分で作ってきた性格だと思ったけど。 「いや、贈り物はごく根本的なもんで、そこから自分で作りあげていくんだ。贈られたからって誰よりも力があり、誰よりも賢く、誰よりも美しい、ってわけじゃない。そういった要素を持たせてるってだけなんだ。願いや祈りともごくごく近くにあるもんなんだよ」  健やかであれ、と健司と名付けるみたいな感覚かな? 「妖なんだから逃れようのない呪いのようなもんかと」 「それはもう真っ向否定だ」  例え天賦の才を持っていたとしても、それに気付き、伸ばしていかなければ意味がない。     
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