四.地始凍

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「君の父親は、今はオレを殺すことしか考えてないかもしれない。でもオレを殺せないことに気付いたら、きっと君の元に戻るよ」  それはそうであればいいという自分の願いでもあった。  オレにはあまり血縁ってのがわからない。父母もまともにいなければ、祖父母も子供の頃に亡くしてるから、血の繋がりがどんな意味をなすのか知りようがないのだ。  それでも、親は子を愛すべきであるという概念はある。いっそオレのことを忘れ去り、彼女のことを想ってやってほしい。 「そんなこと、ありえないわ……」 「ありえないってことはねぇだろ」 「ありえないったらありえないの!」  聞き分けのない子だな。 「あ、あんたなんか、四天王に一瞬でやられてしまえばいいのよ!」  そんな捨て台詞を残して闇の中に消えていった。 「まだ子どもだったな」 「でもツンデレで可愛くね?」  春海が嬉々として言うので、呆れてしまう。 「閏もツンデレで可愛いと思うけど、どうなの?」 「妹キャラのそれとは別だな。しかもあれはただの我儘娘だろ」 「なんか言った!?」 「いえ、すいませーん」  夜は閏の猫目が光って怖い。 「あの子、半分人間ってのに嫌悪感持ってるみたいだったな」 「鬼は特にそれが強いかな。あいつら基本人間嫌いだしな」 「春海は違和感ないのかよ」     
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