五.天気上勝地気下降

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「先生知ってんの?」 「まぁな」 「……」  それ以上語ろうとしない先生も先生だし、丙も先生の言葉が聞こえないかのように無視してるし、なんだろ、この二人。 「妖気って人間でも持ってるもんなの?」 「うちはそういう家系だから」 「妖退治家ってやつ?」 「正確には祓師だ」 「へぇー」  何が違うんだろう。  よくわからないが、妖と戦う術を知ってるってのには変わりない。彼に近付いた理由はそこにある。 「なぁ、ものは相談なんだけどさ。妖と戦う方法、教えてくれないか?」  丙が、先生が、ギョッとした。 「……本気で言ってるのか?」  正気かどうか疑われているようだ。 「この前河川敷で見掛けた時に思ったんだ。人間でも戦えるんだなぁって」  妖にならなくても妖と戦えるんだったら、その方がいい。 「半分人間のお前には効かないかもしれないが、お前の仲間には苦痛となるものだ」 「わかってる」  だけど、護られてばかりじゃいられない。 「お前にもどんな影響が」 「やってみなきゃわからないだろ」 「……お前の考え方、いちいちオレとは合わないな」  やってみなければわからない、も嫌いな言葉?  チャイムが鳴る。 「おら、午後の授業始まるぞ。散った散った」 「はーい」     
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