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「妖だなんて人間界でバレたらなにされるかわかんねーし、祓う術を持ってると妖たちに知れたら誰も近付いて来なくなると思うけど?」
きっと、どちらにも受け入れられない危うさは常に持ってる。
「例えそうであっても、オレはセツを護るだけだ」
徹底してるねぇと感心する。
次の日保健室に行くと、先生が春海に問い詰められ、丙に妖退治の方法を教わる事を吐かされたと聞く。
「オレも春海は恐いぞ。お前のことになると何すっかわかんねぇぞって顔すんだよな、あいつ」
「……」
相変わらずの過保護っぷりだな、春海。後生だからオレの知らないとこで爆発すんなよ。
「半分妖なんだから、妖として戦うことも春海に教わっておいたらいんじゃないか?」
「ああ、それはオレも思った。だけどさ、今の今までオレは人間として生きてきたんだよ。やっとこの制服にも馴染んだくらいだろ?」
ブレザーを主張する。
「ここで妖の力を強めてもなぁ……」
制御の方法も掴めていないのだ。
「いいじゃねぇか、それ」
「え?」
「その制服を封印だと思えばどうだ? そいつを着ている時は変化できないんだって自分を洗脳するんだ」
自分を洗脳なんて難しいことを言うなぁ。
でも、試す価値はあるかもしれない。
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