六.水泉動

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 あきらかに強そうな二人を前にして、淡々とそう言える丙が頼もしいよ。  砂煙を風で吹き飛ばし二人が現れる。こちらを無表情で眺めてるが、獲物を前に舌なめずりってとこだろう。 「なぁ、この前丙に教わった術、試してみていいか?」  実戦では初だけど、実は結構自信がある。 「いいんじゃないか。フォローする」  意識をある一点に集中させて気を溜め込むことをイメージする。  この作業に幾らか時間が掛かるので、その隙をつかれては元も子もない。今は丙がこの隙をつかれぬよう牽制してくれる。  丙の場合は呪文のようなものを唱えるが、まだ祓いの初心者である自分は邪魔者を排除すること、そのひとつのみを想い、余計なことは考えない。 「セツ!」  邪魔するなよ春海。  溜め込んだ気は、手の中ではあたたかいようなつめたいようなそんな不確かなもの。目には見えないから自分でもどのくらいの気が溜まったのかはイマイチわからない。特訓での経験上、妖の背後のオレの家には被害のない程度は、きっとこれくらい。  溜め込んだ気を放つ時は勢いのみ! 「ひとの、家の、塀を、壊すなーーっ!!」     
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