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春海がそう答えると、丙がオレを背に庇うように刀を持った右手を横に広げる。
「セツはこっちだ」
「は? セツはオレが護んだよ!」
春海が噛み付くように文句を言い出す。
なにか戦いとは無関係な揉め事が始まってる気がする。
「な、なに揉めてんの? なにを揉めてんの! って、うわっ!?!」
二人の仲裁に入ろうかと思ったとこに、グレゴリオが黒い羽でか跳躍でかはわからないが高く飛んだ。思わずただ目で追うように見上げると、オレに向かってなにかを投げつけてきた。
「「セツ!」」
凄い力に身体を後ろに持っていかれて倒れ込む。後頭部だけはぶつけないように首に力を入れた。
やられたのか? どこが痛い?
反射で瞑っていた目を開ける。
黒い槍のようなものが腰の少し横で、服だけを貫いて地面に刺さってる。
「へ、平気平気。あっぶね」
もう少しのとこで腹を貫いていただろう。ラッキーなことにケツと背中に青タンを作ったかもしれないだけで済んだ。
「うわーよかったー」
春海が胸を撫で下ろしている前で、グレゴリオが着地して舌打ちする。
「内輪揉めはあとだ! オレが赤髪」
「オレはあごひげ!」
「「セツは二人で!!」」
おいおい、思い掛けない感じでいいコンビ誕生か。
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