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息苦しくて視界が狭くなってる。
「ノーモン!」
「だ、大丈夫です」
か細い声が返ってきた。
それでもきっと怪我をしている。
「下がってろ! くそ!」
春海が悪態をつくなんて珍しい。流石に焦ってるのかもしれない。圧されている様子はないが、四天王と呼ばれる相手にサシで勝負なんてやはり厳しいんだろうか。
自分も徐々に回復してきた気がする。もう一度かめはめ波動拳を撃つことは難しいが、霊丸くらいなら放てそうだ。
だが、それを打ってまた動けなくなるようだったら足手まといだよな。放つならタイミングを経った方がいい。春海か丙のピンチの時か、勝機が見えた時か。
グレゴリオがこちらを睨む。考えてることが読まれたのか?
「我らはレキ様をお救いするために、お前を殺しにきた。人間の女が生み遺したマガイモノ、大人しくその命を差し出せ!」
紛い物だと?!
「カッチーン」
これには母、暦を知る春海もブチ切れだ。
ゴゴゴゴという地鳴りとともに、地面が大きく揺れる。春海が仕掛けてるのだ。
畝る地に丙も立っていられずに跪く。
だが、彼らには羽がある。当然のようにスッと浮き上がる。
その時、飛んだユリウスの身体が大きく揺らいだ。
「っ!?」
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