七.草木萠動

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 先頭に清明が、続いて閏にがっちり引っ付かれたオレ、そして殿には丙がつき、道を進む。  丙はさっきっから黙りだが、なにかぶつぶつ呟いているようにも見える。まさか怖がりだとか言わないよな。  石造りの鳥居が見えてきた。その先に建物がある。  先生が呟く。 「いるな、これは」 「な、な、なに!? なにがいんの!?」  猫目のくせに暗いところ苦手なんだな。 「おいおい、閏ちゃん。お前さんは妖だろー」 「う、うるさいわね!」  妖のくせに幽霊がダメだったりもするのか? 『煩いのわ、お前らよ』 「え?」  今ここにいるメンバーのものではない何者かの声がした。 「なに? なに? なに!?」  閏がきょどきょどとする。見開いた目が光ってるのでホント怖い。 『そこから先に入るな』  どこから聞こえるのだろう。そこから先に、ということは前に進むなという意。進むべき先には、石造りの鳥居がある。  そこか!  鳥居の先に緑色の光を帯びたなにかがあった。 「きつね?」  左に巻物を咥えた狐の像があり、右には宝玉を咥えた狐の像があった。それが奇妙にもぼうっと淡く発光している。 『この先は我らが主、儀鳳様の領域。お前らのような下賤の者が入ってはならぬ』 『今すぐ去れ!』  驚いた。あの狐の像が喋ってるようだ。     
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