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背後からグイッと持ち上げられる。無理矢理立たされて中のローターの位置が変わった。
「んっ……!」
思わず声が漏れ出てしまい、咄嗟に口元を手で覆う。
俺の肩越しで和馬が話した。
「悪いね。こいつは俺が……、あ」
「あっ!」
和馬と佐久間が驚いた顔をしている。何だ? 知り合いなのか? でも、和馬とはずっと一緒だったけど、佐久間との接点なんてなかったような……。
「松高の和馬じゃん!」
「……佐久間って、……お前かよ」
「去年の試合以来だな!」
試合、ってことは……。そうか、サッカーか。そういえば和馬はサッカー部だった。そこで知り合っててもおかしくはない。
……てか、ローター止めて!!
「か、和馬……」
肩口から和馬を見る。俺の身体は今、半分くらい和馬の支えで立っている状態だった。
目が合ったが、止めてくれる気配がない。
……勘弁してくれ! もうしんどい!
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