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大学の友達
大学生になり早2ヶ月。俺は悠々自適な大学生活を謳歌していた。
3ヵ月くらい前、幼馴染みの和馬による策略にまんまと引っかかってアイツと付き合うことになってしまった。正直、今でもまだ和馬を“恋愛”として好きなのかどうかは分からないままだ。ただ、あの時和馬にキスをされても嫌ではなく、むしろ(ちょっとだけ、ホントにほんの少しだけ)気持ち良かったのである。
まさかあんな獣みたいな一面を隠し持っていたなんて、生まれた時から18年、一緒に過ごしてきたのに気付きもしなかった。
「クソッ……、悔しい……」
「うん? 何が悔しいの?」
「あっ、いや……。何でもない」
思い出していたら、気持ちが口に出ていたらしい。佐久間が不思議そうに聞いてきた。
佐久間とは大学に入ってから仲良くなった。俺と同じ経済学部で、必修の授業で何度も顔を合わせるうちにいつの間にか仲良くなっていた。いかにも元サッカー部といった感じの雰囲気で、アッシュグレーに染められた髪と左右合わせて5つ開いたピアスが、何ともチャラい大学生の具現化みたいだった。
「なあ、今日お前ん家に遊びに行っていいか?」
「まあ、別に構わないけど……」
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