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久々に安いホテルに泊まる事になった。
受付で鍵を受け取り、部屋へと向かう。それだって自分で荷物を持ちながら、だ。安いから仕方がないとはいえ、サービスがなっていないと思う。まあ田舎だからしょうがないのだろう、と自分を納得させた。
腕時計に目をやる。夕食はすでに終えていた。だが寝るにも少しばかり早い時間だ。私は少しばかり仕事を片付けてから寝ようと考えた。
部屋の前にたどり着く。質素なドアだが汚れは見当たらない。私はドアを押し開けた。
中は薄暗かった。廊下の明かりと月明かりが混ざって部屋をうっすらと照らし出す。扉を閉めて電気をつけようとするが、なぜか近くにスイッチがない。おかしいな、と思いながら、ぼんやりとした光を頼りに探す。
すぐに見つかった。部屋の中央だ。
まったく不親切だな……と思いながらスイッチを入れる。部屋はちゃんと明るくなった。やはり質素だが、キレイにされている。とはいえ客商売なのだから当たり前だが。
カバンを机の上に置き、とりあえずベッドに座る。少し休んだら体を洗って仕事に手を付けるのだ。
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