あの日

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この世には関わっちゃいけない事があるのを知った日のことを話そうと思う。 俺らは夏になると、よく集まっては「深夜徘徊」と称して心霊スポット巡り等をしていた。 ちなみに俺らって言うのは、俺こと雄輔、靖友、大貴の三人で、高校からの友人同士で俗に言うDQNってやつだ。 高校の時は自転車で回れる範囲の心霊スポットに行っていたけれど、俺らは何も見た事も聞いた事もなく他のグループが上げる悲鳴を聞いて笑っていたりしたものだ。 体力バカだった俺らは、短いトンネルで「出る」と聞けばトンネルの端から端まで逆立ち歩行をして歩き、他の心霊スポット巡りのグループを驚かせたり、ただのバカでもある俺らは廃ホテルにコンビニで買った冷やし中華を持参して、食堂だった場所で晩餐会とか言いながら食ったりしていた。 高校を卒業すると、俺らはそれぞれ地元の肉体労働系に就職し、車を手に入れてからは行動範囲が広がった。 ハタチだったある夏の週末に、大工に弟子入りしていた俺は棟梁に言われた。 「おい雄輔、おめぇ何かおかしなことしてねぇか?」 「おかしな事っすか?毎日してるっす!」 「いや、それは知ってるけどな」 棟梁は口元を手で覆い考えこんでいる。
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