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 U君がなんとか月曜日に出社したとき、N先輩はこのまま退職すると聞かされた。Sさんが実家に連絡したりといった手はずを整えたそうだ。  その後のN先輩がどうなったのか、U君は知らない。  だが、そんなことがあったというのに、U君はそれ以来妙に渦が気になるのだという。  勿論思い出したくないのに、なぜか目が離せなくなるそうだ。  そう言うU君の視線は、私が砂糖を入れてかき混ぜるコーヒーカップの水面に注がれていた。
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