第1章・目覚め

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 植物に覆われた街・・・、というよりも、もはや自然の中に街の痕跡が残っているといった有り様だった。支配は、もうコンクリートではなく圧倒的に植物であり自然であった。  街の中心に着いた。 「あっ」  そこはビルよりも高い木々が林立し、ジャングルと化していた。  高層ビルを見上げると、その窓から巨大なヤシのような植物が壁や窓を突き破って顔を出している。  巨大なビル群はその大半がもはや植物によって浸食され、半ば崩れ去っていた。 「いったいどうなっているんだ・・」  あんな巨大な植物は今まで見たことが無い。どこか見慣れた植物に似ているが、やはりどこか違う。いつだったかテレビで見た、はるか以前の原始的な植物のような感じがする。  ビルに近づいて行くと、ビルの壁はそれを締め上げるような巨大なつる植物にすっかり覆われていた。それだけではない。ありとあらゆる植物に寄生されているがごとくびっしりとそれらに覆われ、その植物の根によって砕かれたコンクリートの隙間に更に別の植物が根を張り、コンクリートの塊であるビルの原型はそれによってその奥深くまで浸食され破壊されていた。  またドスーンという音が聞こえた。 「さっきから聞こえているこの音は一体何なんだ」     
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