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「…あ、美味しい!」
正露丸の匂いしかしないと思ったけど、飲んだら甘い! タケがオレを見て、
「マジ…?」
って言うから、
「マジマジ。ちょい、ほんと騙されたと思っておまえも飲んでみ?」
と薦める。グラス持って、まだ匂い嗅いでるタケに、無理やりグラス傾けさせようとじゃれてると、ナミが
「美味しいー! 甘いー! 何このお酒! むっちゃ美味しい‼」
と歓声を上げた。
お、ナミのだけ違う酒なんだよな。気になる!
「ナミ! ちょっと一口ちょーだい! オレのも飲んでみて!」
グラスを差し出すと、ナミも
「おー。飲んでみ飲んでみ? ほんと美味しいから」
と自分のグラスを渡してくれた。ナミのグラスに顔を近づけると、フワッと香水みたいな香りがした。
とてもウイスキーとは思えない香り。そのまま少し口に含むと、アルコールの味より先に甘い、なんとも言えないフルーティな味が口に広がる。
「うっわー! 本当に甘い! 美味しい! これ、本当にウイスキー?」
びっくりして感想をそのまま口にすると、チヒロが嬉しそうにオレを見て、
「ね? オトナのお酒って奥深いでしょ」
と言った。
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