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「うんうん! すっごい奥深い! 今までオレがウイスキーだと思って飲んでたのはいったい何? って気分だよー」
すっかりいい気分で、シガーを一口吸う。
ちらりと横を見ると、ナミがオレのグラスに鼻をつけて顔をしかめてるのが目に入った。
だよねだよねー。その臭いは、疑っちゃうヤツだよねー。
「ナーミ! 勇気出して飲んでみー? オトナの階段上れるかもよー?」
声をかけると、ナミは鼻の上に皺を寄せて、
「オレの本能が飲むなと言ってる…」
とつぶやいた。
「おまえの本能ほどアテにならないもんないから。
ほら、ナミちゃん、勇気を出して♪」
ナミはオレをキッと睨むと、目をぎゅううっと閉じて一気にグラスを傾けた。
いいじゃんいいじゃん。ナミって、『ちゃん』付けすると、トラウマからか男気出すんだよねー。
「え? なんで? 匂いは変わんないはずなのに、なんで美味しいの? え? 何これ?」
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