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「「おおー」」
ナミとふたりで拍手。かたん、とグラスをテーブルに置くタケ。思いっきり傾けたわりに、あんま中味減ってないけど。それから、しばしの沈黙。
「…どうしたタケ?」
「お前にはまだ早すぎたか?」
ちょっと不安になってタケの顔を覗き込むと、ノドがごくん、と動いて、それから
「んまー!」
と雄たけびを上げた。って、飲み込んでなかったんかい!
「え? え? なんで? 正露丸の匂いしかしなかったのに、飲むとすっごい美味しいとか! なんなのこれ⁈」
タケが目を見開いてチヒロに聞いてる。確かにオレもそれは気になる! チヒロはそんなタケを見てニコニコしながら、
「それは話すと長くなるから、もうちょっとオトナになってからね。今日はとりあえずシガー吸ってからもう一回それ飲んでみて」
と言った。
そうだ! そうだよ、シガーと合うお酒頼んだんだもんな。
ガラスの灰皿に置いていたシガーを取って、少しづつ煙を肺に入れる。甘い香りと、スモークの香り。
あ、これ、ちょっとアレかも…? ちょっと予感がして、すぐにグラスに口をつける。
「やっぱり!」
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