初めての、〇・〇・〇??

29/33
20人が本棚に入れています
本棚に追加
/142ページ
「てことは、オレらがこの店最初に来るときに『探検だー!』言って盛り上がったのもそんな感じなのかな?」 タケがちょっと身を乗り出して、楽しそうに言う。 「どうなんだろ? それは酔ってたからな気もするけど」 「確かに」 「今日も結局探検だったしなー」 「マジそれな! てかチヒロー!」 オレがカウンターの向こうで灰皿拭いてるチヒロに声をかけると、チヒロは顔を上げて 「んー?」 とのんびりした返事をよこす。 「この店―! 昨日は初めてだったから仕方ないけどさー。今日も結局道迷って、あのガード下の暗号からやああっと辿り着いたんだけど! これ、どうにかならんの?」 オレの科白を聞いたふたりも、 「そうだ! それな! マジどうにかならない?」 「そうそう! 今日もここ来るまで長い道のりだった!」 とチヒロに抗議。そんなオレらを見て、チヒロがクスっと笑う。
/142ページ

最初のコメントを投稿しよう!