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「てことは、オレらがこの店最初に来るときに『探検だー!』言って盛り上がったのもそんな感じなのかな?」
タケがちょっと身を乗り出して、楽しそうに言う。
「どうなんだろ? それは酔ってたからな気もするけど」
「確かに」
「今日も結局探検だったしなー」
「マジそれな! てかチヒロー!」
オレがカウンターの向こうで灰皿拭いてるチヒロに声をかけると、チヒロは顔を上げて
「んー?」
とのんびりした返事をよこす。
「この店―! 昨日は初めてだったから仕方ないけどさー。今日も結局道迷って、あのガード下の暗号からやああっと辿り着いたんだけど! これ、どうにかならんの?」
オレの科白を聞いたふたりも、
「そうだ! それな! マジどうにかならない?」
「そうそう! 今日もここ来るまで長い道のりだった!」
とチヒロに抗議。そんなオレらを見て、チヒロがクスっと笑う。
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