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「なあに、道男叔父さん?」とわたしはドアの前で恐る恐る尋ねる。
「るり子ちゃん入ってきて」と返事が返ってくるけれどこのドアを開けたくない。わたしはしばらくの間ドアをじーっと眺めた。
「お~い、るり子ちゃん。どうぞ」
仕方がない、わたしはえいっと勇気を出してドアを開けた。
ああやっぱり変わっていないと思った……。
そうなのだ。
道男叔父さんの部屋の中は壁一面に女性アイドルのポスターがペタペタと貼られており、棚の中には大量のフィギュアが飾られているのだった。
そして極めつけには、恐竜の玩具が床にところ狭しと置かれている。
わたしはめまいを起こしそうになる。
「るり子ちゃん、ほら見てごらん」
道男叔父さんはよくわからない恐竜をわたしに見せる。
「それはなんでしょうか?」
「よく聞いてくれたね。これはだね、スピノサウルスという恐竜なんだよ」
わあ、始まってしまったよ。聞きたくない。
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