第十九章 日常とカフェとおでかけ

613/620
前へ
/2444ページ
次へ
「るり子さん、ヘタウマいえ、お客様がほのぼのしちゃうと言っていたので良かったじゃないですか」  カウンター前に戻って来たわたしが頭を抱えていると万吉さんがそう言って慰めてくれたのだ。 「ほのぼのですか。そうですよね。うん、そんな風に感じてもらえたんだとしたら良かったです」  わたしはにっこりと笑ってみせる。   お客様がおばあちゃんの料理を美味しそうに食べ、里奈のイラストを褒めてくれてそして、わたしのヘタウマなイラストにほのぼのしてもらえたのであれば良しとしよう。 「あ、そう言えば佐美さんはどこへ行ったんでしょう?」  新メニューのことで頭がいっぱいになっていたので佐美さんの存在をすっかり忘れていた。 「あ、本当だ。佐美さんがいませんね!」  万吉は店内を見渡しながら答えた。
/2444ページ

最初のコメントを投稿しよう!

853人が本棚に入れています
本棚に追加