第十九章 日常とカフェとおでかけ

616/620
前へ
/2444ページ
次へ
 それからしばらくの間。  わたしと万吉さんにそれから午後からやって来たさゆりさんがオーダーを取り佐美さんはグラスやカトラリー類を磨いていた。  そして、今。 「ちょっとるり子ちゃん! 洗い物を手伝ってよ〜」と佐美さんの大声に呼ばれた。 「え? 洗い物って無理だよ。今、お客様がたくさん来店されているんだもん」 「でも洗い物もてんこ盛りで置くとこがないよ」  佐美さんは洗い物を志願したくせにこれだ。 「知らないよ。佐美さん頑張ってね」  わたしは横目でチラリと洗い場を見ると確かに佐美さんの言う通り食器類が山積みになっていた。  だけど、「佐美さん頑張ってね」と言うしかなかったのだ。  だって、お客様が呼んでいるんだもん。
/2444ページ

最初のコメントを投稿しよう!

853人が本棚に入れています
本棚に追加