第十九章 日常とカフェとおでかけ

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 その佐美さんの姿は必死の形相で笑える。だって、髪の毛を振り乱しているんだから。うふふ、佐美さんも頑張る時は頑張るんだね。  わたしは声をかけずに見守ることにした。頑張れ佐美さんと。 「ああ、もう歌うしかないよ。洗い物なんて大嫌いだ〜♪ クソ食らえ♪ バシャバシャバシャバシャ洗い物タイム♪」  佐美さんはどうやらヤケクソになり洗い物をしているようだ。  そんな佐美さんをおばあちゃんが口元に手を当てクスクスと笑い微笑ましげに見ている。  なんだか佐美さんの笑える洗い物タイムが微笑ましい時間に変化したような気がした。   ただ、この歌声がお客様に聞こえたらどうしよう。それだけが心配ではあるけれど。
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