猫どもが冷えたコンクリ背に昼寝

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「暑~い! なんでこんなに暑いのぉ!!」 「愚痴ったって涼しくならないよ。 ほら、もうすぐコンビニだから、しゃきしゃき歩いて!!」 「う~ん! スポドリと、かき氷と、うーんと、後、何食べようかなぁ?」 「冷たいモノばかりだとお腹こわすぞ。」 高校三年の夏、俺たちは夏休みに入っても学校に行く。 受験の為、最後の追い込みとばかりに、講習を受けるのだ。 恋人である彼女とも、別れ別れの進路になる。 恋にうつつを抜かしている場合では無いのだろうが、一緒に居られるのも後少しだ。 「あ、猫ちゃん!」 コンビニも目前だというのに、猫を見かけると付いて行く彼女。 無類の猫好きだから、仕方がないな。 暑さも忘れた様に、ズンズンと路地裏に入って行く。 「ほら、手を繋ぐぞ!」 離ればなれにならないよう、手を繋ぐ。 「あ、冷たくて気持ちいい。」 俺の手のひらはヒンヤリしている。 いつもそうなので、心が暖かいんだぞ!って言うけどな。 このまま、ずっと手を携えて未来に繋がっていれば良いのに。 俺たちの人生は、まだまだ入り口に差し掛かったばかりだ。
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