猫どもが冷えたコンクリ背に昼寝

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曲がりくねった路地裏を、彼女と手を繋ぎ、猫を追いかける。 映画のワンシーンみたいだな、と苦笑する頃、行き止まりになり、猫が横たわった。 「猫ちゃん、止まった~!」 猫を驚かせないように、少し離れた場所にしゃがんで観察する彼女。 さっきまでの不機嫌さは、もう霧散している。 「ねえ、ねえ! 何匹もいるよ?」 見渡せば、確かにあちこちに猫が寝ている。 ん? 気づけば、あのうだるような暑さが和らいでいる。 「ここ、涼しくないか?」 「あー、本当だ。 何か涼しいね。 このコンクリートもヒンヤリしてる。 そうか、猫ちゃんたちのオアシスなんだね!」 猫のオアシスでゆったりした時間を過ごす。 そろそろ帰らなければ、と思った頃、彼女が呟いた。
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