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おふろに入って、パパが飲んでいるインスタントコーヒーの粉をちょっとなめて、部屋で本を読みながら、真夜中が来るのを待った。
寝ないように、ちゃんとうさぎのぬいぐるみに、本をよんであげたりしながら。
ふわあ、とあくびをひとつしたころ、「とんとん、とんとん」と窓をたたく音がした。
ピョン、とベッドの上でとびあがる。
カーテンを、ちょっとだけあけて、窓の外を見ると、やっぱりいた。
あの子が、窓の、外にいた。
真っ赤なからだで、真っ赤なブラウス、真っ赤なスカート、真っ赤なソックス、真っ赤なくつで、赤ばっかりの女の子。
大きなつのも、ちゃんとある。
女の子よりも大きくて、長くて、まるでシカみたいに、先のほうがわかれていた。
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