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4
四日目。
私はきのうの煮物を煮詰めなおしていた。
ガスの火を止めたその時、突然男の低い声がした。
「キョウコ」
そう目の前で言われた気がした。
あまりに近距離からの声に思えて、菜箸を落としてしまう。
「なに……?」
おそるおそる小窓を開けても、外には誰も居ない。聞き間違いだったのだろうか。玄関の音といい、少し疲れているのかもしれない。
きのうの配達人の話が気になっていた。賃貸契約をするときに、なぜアピールになる新築物件であることを教えてもらえなかったのだろう。
作り直した煮物の味を確かめて、ひとり夕食を摂った。
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