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6
六日目。
越してきたばかりだというのに、引っ越しを考えはじめていたところだった。
私は布団の中にいた。
ゆっくりと染みだしていた私のなかの恐怖心は、はっきりとその姿を表してきていた。
六日目の今日になっても、誰ひとりとして住人の姿が見当たらないのだ。もっと早くに気付くべきだった。
眠りにつく時にすら明かりを消すのが怖い。それでも睡眠不足が続いていた私は、しっかり眠ろうと蛍光灯のスイッチを消すために立ち上がった。
ぬうっ。
青白い顔が、首から下に何も無い青白い顔だけが、ベランダの窓のいちばん上、隅の方からぬるりと現れた。
「……ッ!」
気を失う寸前、今でもはっきりと覚えていることがある。青白い顔はたしかに「キョウコ」と口走り、歪んだ笑みを私に向けたのだ。私の目をしっかりと捉えながら。
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