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「では、まずどんな言葉で鳴かせるかを決めてくださらないと」
「コウテイカシコーイ、コウテイカシコーイとでも鳴かせれば良いのではないか?」
宰相は深く考えずにそう言ったが、学長は首を左右に振った。
「恐れながら、ハゲの人物に『すごーい、髪がふさふさ!』と言ったら、かえって嫌みに聞こえますよね? この場合もそれに当たるのでは」
「なるほど、それは一理あるな」
宰相は納得した。
「それでは、コウテイイケメーン、コウテイイケメーンとかではどうだろう?」
学長はまた首を振った。
「恐れながら、身長160センチメートル体重160キログラムの人に『すごーい、超スリム!』と言ったら、むしろ皮肉に聞こえますよね? この場合もそれに当たるのでは」
「なるほど、それも道理だな」
どのような鳴き声であれば嫌みにも皮肉にも煽りにも聞こえないかをめぐって五時間にわたる激論が繰り広げられた。そして最終的に、次のような鳴き声にすることが決まった。
『コウテイスッゴーイ、ナンダカスッゴーイ、コウテイスッゴーイ、トニカクスッゴーイ』
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