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見てはいけない箱の中身を、覗いてしまったような気がした。
「俺たち、部活も引退して、夏休みも暇で。なんか、よく分かんないけど、このままじゃだめな気がするんだ。多分、今は変わらなくちゃいけない時なんだ」
ヒロトはきっと、かなり下の方に穴を開けたんだ。口からあふれ出た彼の思いを受け止めながら、ケイタはそう感じた。
「でも、変わるのが……なんかイヤなんだよな。あーあ! いつまでも子供だな!」
ヒロトはきっと、穴を塞いだ。
「まあ、そうだな。受験もあるしな」
外ではミンミンゼミがうるさく鳴いている。「これが最後の夏なんだぞ」と、太陽の下から二人に訴えかけている。
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