昨日は星が降りました。

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君は教えてくれた 朝露ってのは、昨日降った星屑の カケラなんだよって。 「反響の世界」 星の天井に 向かい僕は 歌う 叫ぶように ギターの弦が電流のごとく 膨らむ音は球体状に 誰もいない公園で 誰かに向けて歌う 星空の下の世界は 僕だけのもの 僕が作った 反響の世界 「横断」 右見て、左見て、 手を上げて渡ったら 僕のために 道を空けてくれる なんだか僕、 神様みたい 「実存なし」 存在はどこへ 目線の液晶の中 概念はどこへ 空気に溶け込んだ 思い出はどこへ いつも雲の上 愛はどこへ ほら、足元に どこへ行く 君の三歩後ろ 「宇宙論」 例えば無音の部屋を真暗にしたとします。 そこでは触覚のみが頼りになる 無の世界が出来上がり、 自分がどの座標にいるのか判別できません。 これが宇宙だとするなら、 宇宙とは一つの存在ではなく、 身近に隠れている概念ではないか、 とも考えられます。 「五感論」 この世界の美しさは誰が決めたのか。 色は、匂いは、誰が求めたのか。 何故木は緑なんだ。 何故川は茶色なんだ。 僕の五感も、なんだか信用ならなくなってる。 「無題」 手に入れる為に必死になっても、 手に入れたところで輝きを失う物だってある。 「ある散歩」 神保町ノ通リヲ、ワケモナクアリク。カラン、コロント、タヒルヲ踏ム僕ノ革靴。僕ヲ追ヒ抜ヒテ行ク。懐カシヒ街並ミ、踊ルヤフニ。 「認識の感覚」 今朝も眠かったから 朝焼けが綺麗に見えた みんな疲れていたから 隣の人の煙草が いやに匂った 手袋を忘れたから 手の甲が冷たかった 何かが足りなかったから 君を好きになった
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