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「棚木くん寂しいの?」
「うん。一人じゃ寂しい……。」
そう言い唇にあたるやわらかく温かいもの…。
えっ。俺今、棚木君にキスされた…?
その後も触れ合うだけのキスをしてくる棚木くん。
そんなことされたら我慢できなくなる…。
ごめん。棚木くん…!
「ふっ…んんっ!」
俺が舌を入れると必死に絡めてくる姿が堪らない。
久しぶりにこんなに気持ちいいキスをした気がする。
「んんー!…も、むり……っ…!」
酸素が足りないのか俺の胸を力なく叩いてくる。
そっと唇を離すと銀色の糸を引いていた。
ボーっと蕩けるような表情の棚木くんはゆっくりと目を閉じ、そのまま深い眠りに落ちていった。
そんな彼を見て俺はよくわからないけど、どこか懐かしい気持ちになっていた。
「ち、はる…。」
別れた女の名前を寝言で言うとかどれほどまでに彼女のことを好きだったんだろう。
そんなにも棚木くんに愛されていた彼女が羨ましく感じたと共に嫉妬のような気持ちを抱いた。
おかしいな。
いつもならラブラブのカップルを見てもなんとも思わないのに、この感情は何なんだろう。
俺は人から愛されたいのだろうか…。
モヤモヤする自分の感情に違和感を覚えながら俺も棚木くんの隣で眠りについた。
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