3 冷たさと温もり。

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棚木くんside 目が覚めると見知らぬ部屋にいた。 黒と白で統一された清潔感のある部屋だ。 あれ。俺昨日晴也呼んで泣きながら酒飲んでたら颯斗さんが来てまた酒飲んで…のんで…それから………やばい。記憶がない。 頭は二日酔いでガンガンするしそんなに飲んでしまったのかと今更後悔する。 そして、背中に感じる違和感と規則的な息遣い。 …なぜか俺は抱きしめられていた。 俺の背中にぴったしとくっついているので寝返りを打って顔を確認することはできない。 「ん…?たな、ぎくん起きたの…?」 何とかして抜け出そうともぞもぞしていると背中の人が起きてしまったようだ。 ふっと俺を抱きしめる腕の力が弱まったので後ろを向くと、颯斗さんのドアップがあった。 ドキッ。 イケメンのドアップは心臓に悪すぎる…。 「あ…えと、おはよ…。」 どうすればいいのかわからなくなりとりあえず朝の挨拶をすると、おはよう。と朝からさわやかな笑顔で微笑まれただけで一向に俺を抱きしめている腕を離す様子はない。 「…いい加減、腕離せよ。」 「あぁ。ごめんごめん。」 パッと解放してくれたので、俺はベッドから降りる。 …俺のきている服は恐らく颯斗さんのだ思われるが、ほとんど身長は変わらないのに少しだけ大きい服にイラッとする。
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