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足場の上で作業の仕上がりを確認していた。 まわりでは、命綱もなしに鳶の男達がひょいひょいと高いところを移動している。おそろしいような場所で、すばらしい仕上がりの仕事をこなす、腕のいい男達だ。 そんな鳶の男達に、少しあこがれるようなところがあった私は、虚勢を張って命綱をつけていなかった。身を乗り出して、溶接の具合を確認する。惚れ惚れするような、美しい仕事だ。 と思ったときに、ふっとめまいがした。 靴底が足場をずるりと踏み外す。 あ、いけない。終わりだ。そう思ったとき、大きな手のようなものに掬い上げられて、私は再び足場の上にいた。 いつだったか煙草を分けてやったあいつだ。礼をしてくれたのだ。 そう思った。
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