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『はああああああ!!』  互いに跳躍し、手と手がぶつかり合う。最高出力の異能が込められた手が重なったとき、眩い閃光が放たれる。行き場を無くした未知のエネルギーから来る、エネルギー変換だ。それは、火花のようにも見えた。 「なんだこの出力は……」  互いに弾かれ、着地したとき、黒い少女が呟いた。そう、互角だったのだ。 「姉の手本を見て学ぶのが、妹ってもんでしょ」  白い少女は、微笑んで言った。息が上がり、汗が滲み、血が流れているのに、笑う。完璧に、姉の褒め言葉を待つ妹の顔そのものだった。 「たった数回見せただけ……それで真似たと言うのか」  にわかには信じがたい事実。しかし、疑いようがない。黒い少女の中には、その証拠となる、確信を持てる何かがあった。 「そうか……、お前は、天才だったなぁ!」  海の上、飛沫を上げて距離を詰める。異能と異能のぶつかり合い。体術なぞ、介入する余地はなかった。  閃光。黒い少女の右ストレートを、白い少女が両腕で受け止めている。 「何をやっても私を真似て、私から学び、私を追い越していった!」  拳に、更に力を込める。白い少女は苦悶の表情を浮かべ、閃光は強さを増した。     
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