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衝撃波が、まるで開花するかのように広がっていった。
「なに……?」
黒い少女は、思わずその場で驚愕する。
拳が顔に届く直前、白い少女は、片手でそれを受け止めていたのだ。
目の前で驚きを隠せずにいる黒い少女を見ながら、白い少女は言った。
「さすがに止められるのは予想外だった?」
「貴様……、まさかいの──」
黒い少女の言葉を遮り、白い少女の膝小僧が、黒い少女の伸びきった肘に迫る。腕を折るつもりだ。
反応が遅れた黒い少女は、腕を曲げて回避するしかなかった。すると、自然に二人の距離は縮むことになる。白い少女はそのまま膝を伸ばし、黒い少女の顎を蹴り上げた。
直撃。黒い少女の視界が上に向けられ、うなり声が上がる。
白い少女は手を離し、蹴り上げた足を地面に戻すと、今度はその足を軸にして、反対の足で回し蹴りを、黒い少女の首筋めがけて打ち込んだ。
黒い少女は視界を白い少女に向けた。彼女もやられてばかりではない。
迫り来る脚を屈んで避け、白い少女の顔面に肘打ちをお見舞いする。
「能力が相殺する以上、勝負は身体能力で決まる」
しかし白い少女は、体制を崩したばかりなのにも関わらず、片手でそれを受け流した。すると、黒い少女の腹部が、隙だらけになった。
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