助言

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助言

 異能力プロジェクトという研究があった。一般人の脳に変化を与え、人工的に異能力者を生み出し、人間兵器として利用する研究のことだ。政府の助力によって研究は進み、やがて、ある少女に初めての人体実験となる手術が施された。最初は、見事に成功した。少女は、物理法則をねじ曲げ、好きに修正するという恐るべき力を得た。研究機関は、画期的成果に歓喜した。だが、すぐに現実は姿を現した。少女の心は、人ではなく、殺戮を求める化け物へと変貌していた。この研究は政府の最高機密だったため、少女を放置できない政府は、彼女を秘密裏に処分しようとしたが、いくつもの討伐隊がその圧倒的な能力の前に全滅。政府は、頭を抱えた。追い込まれた政府は、やがて禁断の手段に出る。少女の妹に、同じ手術を施し、少女を殺せと命じたのだ。少女の妹は、無理やり精神を安定させられた。そのため、脳に異常をきたし、研究所のメンテナンス無しでは生きられない、呪 い の体にされてしまった。だが、少女を殺すために鍛えられた戦闘技術は、少女の比ではなかった。同じ異能力同士では、異能力が相殺することはわかっていたため、事は決着したかのように思われた。     
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