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所謂「自殺」ってやつだ。
今の時代となっては、学生が校舎から飛び降りるなんて、珍しい話じゃないかもしれない。
連日何かしらの報道が、ニュースやネットで騒がれているのを俺も知っている。
その中の一つに、俺もなろうと思ってここに立ってるんだ。
勿論、目立ちたいからと言う理由からなんて事は無い。
俺も、出来れば死にたくはないんだ。
もっと長く生きたいし、人生ってやつを謳歌したいなんて漠然と考えている。
……いや、考えていた……だな。
でも、もうこれ以上この生活を続ける事、そしてこの世界で生き続ける事に耐えれそうになかったんだ。
―――ビュヒョオィ―――……。
足元から顔に向かって吹き付ける風が、若干強さを増した。
そろそろ夕方に差し掛かって、五月と言っても肌寒くなる時間帯って事もあるのか、さっき触れた風よりも冷たくなってる気がした。
でもその冷たさは、風の冷たさや気温の低下から来てるものだけじゃない事も俺は解っていた。
それは恐怖……。
すぐ足元に迫る恐怖が、俺の体感温度を低くしているのに間違いなかった。
目の前に広がるのは、傾く陽の光に照らされた美しい街並み。
でもそれすら、今の俺には怖い光景に見えていた。
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