来世を信じて

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 この世界との決別を決めたのは、何も誰かに強要された訳じゃない。  それは、俺自身が決定した事なのに間違いないんだ。  でもそこに至った過程は、決して俺が望んだ通りのものじゃなかった。  むしろ、望まない方向へと導かれたと言って過言じゃない。  世の中には、幾つもの理不尽が蔓延ってる。  人それぞれの個性……。  それによる優越感と劣等感。  そこから決定付けられる、順位付けとカースト制度……。  そしてその結果としての……いじめ。  何で人は、同じ年代にも拘らず他者をイジメるんだろう?   放っておいてくれれば良いものを、上位だと周囲が認めた者は、自身の力を誇示する為に下位と決定付けられた者へ攻撃を開始する。  彼等にしてみれば些細なお遊び、暇つぶしかも知れない。  だけどその当事者……被害者ともなれば、そんな言葉で済まされる様な事じゃあなくなってしまう。  彼等にしてみれば、気にする事もバカバカしい事や言葉であっても、受ける側にしてみれば、それだけで済まされない事もある。  到底耐える事の出来ない事もあれば、忘れる事の出来ない言葉と言う場合もあるだろう。  それ等に此方が過剰反応すれば、彼等の行為は更にエスカレートしてゆく。  こちらが、俺が抵抗すればするほど、数で圧倒している「絶対者」気取りの奴らは、調子に乗って更なる行動を起こして来るんだ。  その理屈が分かっているんだ、対処だって取り様はあったかもしれない。 だけどそれをする程、俺のプライドは安くなかった。  結果として、この学校に於ける俺の立場は、いじめを受ける側の人間として確立されてしまった。    ―――でもそれは良い……。
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