海岸線

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 野口さんは10分程度車を走らせると、見覚えのある車が停車しているのを発見した。  運転席には神妙な面持ちである川田の姿が見えていた。  野口さんが車から降りると、川田はそれに気づいて一緒に車を降りていた。 「その男はどこにいるんだ?」野口さんは車の後部座席をチェックしたが人の気配はなかった。 「いなくなった・・・・・・さっきまでいたんだ」川田の声は震えていた。 「俺をからかっているんだろ?」仕事を中断して駆けつけた野口さんは怒りがこみ上げていた。 「いやマジだって! 俺も訳がわからないんだよ! 本当にお前ソックリなんだ。髪型だけじゃなくてホクロの位置や喋り方も全部だ」
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