海岸線

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 そんな出来事から1ヶ月後のこと。また川田から電話が掛かってきた。 「どうした? 良い魚が釣れたか?」野口さんは以前起きた出来事に触れる気はなかった。「とりあえず脳ドッグに行って頭の中を調べてもらえ」とアドバイスして終わった話である。しかし川田の声は1ヶ月前の出来事を呼び起こすのには、十分すぎるくらいに沈んでいた。 「ごめん、またお前が後ろに乗っている・・・・・・」 「わかった、今から行くから待ってろ。場所はどこだ」 「海岸線だけど、目印になるものはないよ」  野口さんはすぐに電話を切った。そして車に乗るとアクセルを踏み込んだ。
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