ハルトの戸惑い

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リアムはクラスメイトのキースとカイルと仲良くなったようだった。 もう自分のところには来なくなるだろうと思っていたが、放課後は毎日魔法訓練施設に来て一緒に魔法の特訓をする日々が続いた。 しばらく放課後に練習していて随分と上達した頃、まだリアムに魔法の授業の声がかかっていないことに気付いた。 多分担任も忘れているんだろうと思い、フェイン先生に声をかけた。 「他人に無関心なライン君が珍しいですね。」 と言われてしまった。 他人から見てもそう見えるのか…。 そしてフェイン先生がリアムに声をかけた日、なんで呼ばれたのかがわかっていない様子で、心配そうな顔をしていたから、思わず 「心配するような事じゃないよ。」 と言ってしまった。これじゃあなんで呼ばれたのか知ってると言っているようなものだったよな。 午前の授業が終わったタイミングでリアムが急いで俺のそばに来た。 教室では珍しい事だったから驚いた。そして、 「さっきはと言うか、先生に話してくれてありがとう。今日から授業に参加させてもらうのでよろしくお願いします。」 と少し緊張した顔で行ってきた。 多分フェイン先生が俺が言ったって言ったんだろうな。律儀なやつだと思った。 魔法の授業では予想通り先輩方を驚かせ、魅了していた。 魔法の使い方は普通とはやはり違っていたが、魔力量、センス共にバツグンだった。 今まではいつもニコニコしていて『悩み事ってなんですか?』って顔をしているやつだと思っていたが、先輩方との話で、どうやら数年前から起こっている魔力持ちの子どもの誘拐事件に関心がある事がわかった。 それから先生や先輩から魔法の特訓を更に熱心に教わっている様だった。 そのうち本当に 「犯人を捕まえに行く!」 とか言いそうだなって思った。 そしてその日は本当に来た。
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