序章

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序章

ここはアラン伯爵邸 約15年前に双子の男の子と女の子が生まれました。 男の子は兄でリアムと言い女の子は妹でエレナ。 2人の容姿は双子だけあってそっくりでした。 金髪にブルーの目。 色は白く透き通っています。 それはそれは美しい双子でした。 12歳のある日2人で森に遊びに出掛けました。 かくれんぼをしていた所、何者かに妹エレナが攫われそうになりました。 兄はそれを阻止しようと果敢に向かっていきました。 体当たりをして、抱えられていたエレナを手放させる所まではうまく行ったのですが、仲間がもう1人いた事には気付けませんでした。 気付いたエレナが叫び声をあげた時には遅く、リアムは背後から一撃を受けてしまいました。 エレナの叫び声を聞いた大人達が駆け付けて来た為、何者か達はすぐに立ち去ってしまい捕まえることは出来ませんでした。 大人達によって2人は屋敷に連れ帰られました。 しかし、リアムは目を醒ましません。 医者を呼びましたが一向に起きる気配はありませんでした。 自分を庇って目覚めなくなってなってしまった兄に対して申し訳けない気持ちでいっぱいのエレナはそれから、何をするにも 「リアムだったら?」 と考える様になり、いつしか本当の男の子の様に過ごす様になりました。 兄を思う妹の気持ちがわかるアラン伯爵夫妻は、エレンの行動を咎める事はしませんでした。 そうして月日は過ぎ、この事件は世間から忘れられていました。 アラン家には男装したエレナの姿しか認識されていないため、いつの間にかリアムの存在のみが認識されるという事態になっておりました。
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