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「失礼します。アラン・リアムです。」
ドアの前で声をかけると、
「入って。」
と短い返事が返ってくる。
ドアを開けると、奥の方に机が見え、そこに先生が忙しそうに書き物をしながら座っていた。
「呼び出して悪かったね。すっかり君の適正テストをするのを忘れていてね、先日ライン君が教えてくれたんだよ。君が魔力持ちだって。」
「ハルトが?」
「そうだよ。なんでも、君も最近まで知らなかったんだって?」
「はい。ここに来てハルトに教わってはじめて知りました。」
「じゃあまだ初心者だね。因みにうちのクラスではライン君だけだよ。だから君もライン君と一緒に別授業が加わるからね。」
「はい!ありがとうございます。よろしくお願いします!」
「早速だけど、今日の終わりの授業で2人は魔法訓練施設へ来てくれ。」
「わかりました。よろしくお願いします。」
教室へ戻ると、カイルが来た。
「なんだったんだ?」
キースも気になるらしく頷いている。
「えっと、僕魔力があるらしくて、今日から魔法訓練施設へ行くことになったんだよね。その話だったよ。」
「えっ?リアム魔力持ちなの?」
とキース。
「お前そっち側の人間だったのか!」
とカイル。
「カイル、それ何?そっち側の人間って。」
そう言うと、
「そりゃあれだよ、エリートコースの人間って意味だよ。魔力持ちは特殊だからね。ラインと一緒。」
「そうやって線引きしないでくれる?僕は僕で変わりないんだから。」
そう言うと、
「そうだよな。悪かったよ。」
って謝ってくれた。
でもカイルがそういう位、魔力持ちは特別なんだって事がわかった。
だからハルトは別格扱いだったのかな?
なんだかとんでもない事になってしまったな。
そう言えば、私とリアムは双子だけど…リアムに魔力は無いのかしら?
ふと思ったけど…確かめる術が無いわね……。
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