エレナとリアム

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エレナとリアム

「リアム、おはよう。今日は私たちの15歳の誕生日だよ。……あれから3年だね。」 広い部屋のベッドに寝ている、自分と同じ顔をしたリアムに対してエレナは声をかける。 もちろん返事はない。 それでもエレナは声をかけ続ける。 「明日からしばらく貴族学校へ行く事になったんだよ。国からリアムに貴族学校へ入学するようにと手紙が来たんだって……。お父様と相談してリアムが目覚めるまで私が代わりに行くことになったよ。……待ってるからね。早く目覚めてエレナって呼んでね。」 リアムの少し冷たい手を握ってから部屋を出る。 私が攫われそうになったあの日から3年が過ぎた。 外傷は無いのに…リアムは目覚めない。 お医者さんはいつ目覚めるかわからないという。 でも私は信じてるんだ。 ある日リアムが目覚めて私の名を呼ぶ事を…… だからリアムが困らないように、リアムの居場所を作っておくの。 リアムが忘れられないように…… 私はリアムが目覚めるまでリアムだから……。
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