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「まずは君がどれほどの魔力の持ち主かだな。」
クシュール先輩が言う。
それは私が知りたいところだわ。
「彼は光、風、火・水魔法が今のところ使えますよ。」
ハルトが先輩に言う。
「随分魔力は高い可能性が高いな。」
「魔力を使えるという事はこの国で貴重な存在だ。しかし使い方を誤ると大変なことになってしまう。
それに、この力を悪用しようと近付いて来る者もいるから注意しなければならない。」
「悪用ですか?」
「そうだよ。それに…数年前から子どもが攫われる事件が瀕発しているが、それは魔力持ちを探してるって話だ。」
えっ?攫われる?
「それって有名な話?」
「いや、余りおおっぴらには公表されていない話だよ。ただの誘拐事件で処理されているはずだよ。」
「そうですか……犯人は捕まっているんですか?」
「残念ながら捕まっていないよ。」
なんて事……もしかして、あの時の犯人達は私だけでなく多くの子を誘拐して回ってるって事かしら?
なんて言ったって大事なリアムを傷つけた。
絶対捕まえたいわ!
「リアム?どうした?」
考え込んでいた私を心配そうにグレイン先輩が覗き込む。
「いえ大丈夫です!進めて下さい。」
授業中だった。
「そう言う事情だから、この授業はしっかり受けて貰いたいって話だ。」
カール先生が言う。
「つまり、僕が強い魔法使いになれたら、いつかこの犯人達を捕まえる任務が与えられるかも知れないってことですか?」
「あぁ、そう言う可能性もあるかも知れない。」
それならしっかり学んで強くならなきゃね。
ここに来て手掛かりが貰えるなんて思ってなかった。
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