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「エレナ。エレナ!」
なんだか呼ばれている気がする。
遠くの方で私の名前を呼ぶ声が聞こえます。
段々覚醒してくると、自分がリアムの上に突っ伏していた事に気付き慌てて起き上がります。
すると、
「エレナ。おはよう。」
私を見上げるリアムの姿が目に映ります。
「リアム……リアム!あなた、やっと目覚めたのね?」
「エレナのおかげだよ。ありがとう。」
リアムが微笑む。
「お母様達に知らせてきます!」
私は急いで部屋を飛び出しました。
「リアム!あぁ、本当にリアムなのね?」
「母様、そんなに泣かないで下さい。」
もう涙でみんな視界が霞んでいます。
まさかこんな日が来るなんて……魔力持ちだと知らなかったらこんな事にはならなかっただろうから、学校へ私が行くことになったのは必然だったのね。
「リアム、早く元気になってね、私は頑張って犯人を捕まえるから!……そうしたらあなたと私は入れ替わるのよ。だから……もう少しだけお互い頑張りましょうね?」
「エレナ……わかったよ。無理はしないでくれよ。」
「お母様、リアムの事お願いしますね。」
「もちろんよ!なんだか急に私の息子と娘が帰ってきたみたいだわ!」
とお母様。
息子のフリをしていた娘じゃダメだったのね。
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