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「僕は……」
なんて言えばいいのかわからない。
「聞くつもりじゃなかったけれど…聞こえてしまったんだ……君はやはりリアムじゃないんだな。」
バレてしまった。
怒ってもおかしくないのに、なんでハルトはそんなに苦しげに言うんだろう。
「えっと……ごめんなさい。」
なんて言えば良いのかわからず、まずは謝る。
私は私の目的の為に騙していたことは間違いない事実だから……。
「君は、フィンドレイ殿下が言っていたリアムの妹なんだな。」
やっぱり知られてしまったよね。
「事情があったんだろ?話してくれよ。」
「えっ?聞いてくれるの?」
「もちろん。それに僕には聞く権利もあるんじゃないか?」
そうね。1番長い間騙してしまった相手だし…。
「12歳の時、私とリアムは森でかくれんぼをしていたんです。その時、私が攫われそうになり兄のリアムが助けてくれました。ここまでは当時知れ渡った話です。その時私は助けられましたが、リアムは犯人のせいで意識を失い、目覚めませんでした。そして私はリアムが目覚めるまでリアムになる事にしたんです。私のせいでリアムの居場所が無くなるのが嫌だったんです。」
「ん~わかるようなわからないような……。しかしどうしてここにきてリアムは目覚めたんだ?3年間目覚める兆しも無かったんだろう?」
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